第4回SFCI総会を終えて

札幌医科大学第一内科学  今井 浩三


 2000年盛夏(8月3日、4日)札幌市におきまして、第4回のSFCI総会を開催させていただきました。会員の皆様に心より御礼申し上げます。国外より2名の素晴らしい特別講演演者をお招きでき、新鮮な内容のご講演を頂けましたし、抗体、CTL双方からの最新知見をシンポジウム(司会:高橋利忠先生、中山睿一先生)として実現できました。さらに、毎年恒例の癌ワクチンに関するパネルディスカッション(司会:伊東恭悟先生、河上裕先生)も早朝から盛会のうちに開催できました。

 本会は4年前に、橋本嘉幸先生のご発案で、癌免疫に関する最新情報の発信、討論の場としてスタート致しましたが、回を重ねる毎に若い研究者、医師が集まり、熱い研究会に成長して参りました。今回は特に多数の一般演題をいただき、タイトなスケジュールの中で、内容が高度で、活発なディスカッションがなされ、主催者として、これ以上の幸せはありません。

 特別講演のおひとりGreenberg教授は、本会会長の浜岡利之教授のご司会のお言葉にもございましたように、特にT細胞を中心とする免疫学の最もアクティブな研究者で、今回も新鮮な情報を盛りだくさんに届けてくださいました。もうひとかたのGoldenberg博士は、長年にわたる抗体治療の蓄積をされた研究成果を述べられた後、特に最近ヒト悪性リンパ腫に治療効果のあるCD20に対するモノクローナル抗体の成績を示すとともに、最も新しい抗CD22抗体についても、さらに期待の持てる良好な成果を発表されました。説得力のあるデータで、約20年前に、抗体に関する研究所を創立し、この道一筋に研鑚を重ねてきたパイオニアの覇気を感じさせる素晴らしい講演でした。

 問題点としては、せっかく出していただいたポスター発表をじっくり見る時間が少なかった点があげられます。これも当初予想より演題数が多く出されたことと関連しており、むしろポジティブな側面かも知れませんが、ポスター会場を口演会場と同一フロアーにするなどの工夫が必要であったと反省致しております。総会の合間に行われた幹事会や世話人会においても研究会としての前向きな取り組み(例えば、ホームページの開設)が熱心に討論され、全体として盛会裡に終了することができました。重ねてご参加いただきました皆様に御礼申し上げます。来年は珠玖会長のもと、三重県でお会いできます事を楽しみに致しております。